水素の作り方 -その4:水素源の推移

以前の記事で、現在水素がどのように製造されているのかを、そのマーケットシェアと併せてまとめました(水素の作り方 -その1:現行の作られ方と価格参照)。そのデータは文献[1-4]を参考にして作成しており、比率は2014年のデータでした。2020年のものとして、IEAがデータをまとめていた[5]のでここに記しておきます。

水素源 in 2020

sources-of-H2-production-2020

なおここでの「副生」は水素を製造する目的でないプロセスから製造される水素を指します。苛性ソーダ製造(つまり電気分解)もここに含まれますね。

水素源 in 2014

比較のため、2014年のものを再掲します (水素の作り方 -その1:現行の作られ方と価格参照) 。

share-of-primary-energy-hydrogen-production-2014

水素源の推移

両者を比較しておきます。

電解水素の割合が2020年のものでは明示されていないので、その比較は難しいですね。
※ただし、水電解による水素は0.03%と記載はあります[5]

石油は一見減っているように見えます。しかしIEAによる2020年のデータでは[1]、ナフサの改質で得られる水素は副生に分類しています。つまり、石油由来のナフサから得られる水素は、「副生」に分類されています。データは開示元によってこういった差異があるので、注意が必要ですね。

明確に言える差異は、以下の2点でしょうか。

  • 石炭の比率は11%から19%へと増大
  • 天然ガスの比率は68%から59%へと減少

参考文献

  1. Shell, Shell Hydrogen study Energy of the Future?, 2017.
  2. P. De Luna et al., Science 2019, 364, eaav3506.
  3. S.E. Hosseini et al., Renewable Sustainable Energy Rev. 2016, 57, 850.
  4. M. David et al., J. Energy Storage 2019, 23, 392.
  5. IEA, Global Hydrogen Review 2021.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。