我々はどのくらいエネルギーを消費しているのか?

人類は、エネルギーを色々なシーンで使っています。火や電気など、我々の生活は「エネルギー」なしでは語れません。どのくらいの量のエネルギーを私たちは使っているのか、考えたことはありますか?

今回はエネルギーの消費量と、使える量を見ていきます。

全世界における1次エネルギー消費量

次の図は、全世界における1次エネルギー推移をまとめたもの[1,2]です。

annual-primary-energy-consumption-in-the-world

※図中の「その他」は、原子力、水力、風力、太陽光などを含みます。

1次エネルギーとは、変換・加工を経ていないエネルギーです。化石資源である石油、石炭、天然ガスや、核エネルギー、太陽エネルギーや風力エネルギーなどが、この1次エネルギーに相当します。「電力」も統計ではよく語られますが、これは加工後のエネルギーなので、1次エネルギーではありませんね。

その1次エネルギー消費量は、18世紀後半の産業革命を境として急激な上昇を続けています。近年の消費量は5*1020 [J]となっています。大きすぎてもうよく分かりませんね。そのほとんどは、石炭・石油・天然ガスが占めています。

我々が使えであろうエネルギー量

これだけの量のエネルギーを消費してきましたが、我々に残されたエネルギーはどの程度あるのでしょうか?
次に、それを図示していきます。International Energy Agencyのデータ[3]を基に計算しています。

available-ammount-of-energy-sources

この図では、球の体積が、エネルギー量に対応するように描いています。左上の球は「全世界・年間のエネルギー消費」に相当します。上の図でみた約5*1020 [J]ですね。

石油、天然ガス、石炭などの化石資源は、その量に限りがあります。我々が、経済的・技術的に判断して、今後採取可能な天然ガスや石油などの量を「可採埋蔵量」[4]と呼びます。石油や天然ガスは、計算のタイミングによって多少変動していますが、だいたい50年程度です。

一方で、図の右側の大きな球。これは「地球表面に、一年間に降り注ぐ太陽光のエネルギー」です。「一年間に」です。かなり大きいことが分かりますね。値で言えば、太陽光の年間照射エネルギーは、我々の年間消費エネルギーの約6000倍です。

化石資源には限りがあり、そして二酸化炭素の排出という問題があります。地球上に膨大に降り注ぐ再生可能エネルギーをうまく使わなければ、我々が使うエネルギーは将来的に賄えなくなります。もちろんそれは一筋縄ではいきませんし、各国が総力を挙げて取り組んでいます。

参考文献

  1. BP, Statistical Review of World Energy, 2018.
  2. Our World in Data, “Global primary energy consumption by source”, https://ourworldindata.org/grapher/global-energy-consumption-source?country=~OWID_WRL (accessed on 2022/02/03)
    ※原典: Vaclav Smil, Energy Transitions, 2017.
  3. International Energy Agency, Solar Energy Perspective, 2011.
  4. INPEX, “9. 埋蔵量:天然ガスはなくならないの?”, https://www.inpex.co.jp/museum/01/09.html (accessed on 2022/02/03)

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