日本における二酸化炭素 -削減目標

日本における温室効果ガス排出量は、年間約12億トンでした(日本における二酸化炭素 -排出量参照)。環境問題の主因はこの温室効果ガス濃度の上昇といわれています。この濃度上昇を食い止めるべく、国としては排出量を抑制していかなければいけません。日本が掲げている温室効果ガス削減目標の詳細を今回はまとめておきます。

日本の削減目標

究極的な目標としては「2050年にカーボンニュートラルを実現する」という目標を国として掲げています。この出典は2020年10月に行われた、菅内閣総理大臣(当時)の所信表明演説[1]です。この大きな目標に対して、より落とし込んだ目標が翌年に公表されました。それが「2030年度に、2013年度比で46%の削減をする」というものです。こちらの出典は、2021年4月に行われた、菅内閣総理大臣(当時)の気候サミットでのスピーチ[2]です。

これらの値

  • 2050年に排出量0
  • 2030年には、2013年比で46%削減

という値は、エネルギー基本計画[3]等でも明記されるなど、日本での環境・エネルギーについて施策における公式な目標値とされています。

日本の2030年における削減目標の根拠は?

ここで、2050年にゼロという目標は分かりますが、2030年に46%削減というのはどうやってでて導き出されたのでしょう?明確な記載がなかったので、日本における排出量と、その目標値を図にまとめてみました。日本における排出量は、国立環境研究所のデータを採用しています[4]

co2-emission-and-target-Japan

2013年比での排出量は近年80%程度まで下がっています。それらの点を通り、かつ「2050年に0という点」を通る大まかにオレンジ色破線で引いています。なんとこの線上で、2030年はちょうど54%(=46%削減)です。つまり、ざっくりといえば、日本が描いているシナリオは「2050年で排出量0%」「2013年で排出量100%」の2つは確定で、両者の間はおおむね線形に推移するということになります。

各セクターとの調整を経て算出された値かと思っていましたが、単純な外挿でしたね。
(もちろん、偶然直線状にのっていただけ、という可能性もあります)

参考文献

  1. 首相官邸, “第二百三回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説”, https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1026shoshinhyomei.html (accessed on 2022/02/16)
  2. 外務省, “菅総理大臣の米国主催気候サミットへの出席について(結果概要)”, https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page6_000548.html (accessed on 2022/02/16)
  3. 経済産業省,”エネルギー基本計画” 令和3年10月
  4. 国立研究開発法人 国立環境研究所, 温室効果ガスインベントリ, https://www.nies.go.jp/gio/aboutghg/ (accessed on 2022/02/15)

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